AV作品って、女性が観るにはちょっと勇気がいるジャンルですよね。
タイトルに「真正中出し」とか「膣奥射精」なんて言葉が並ぶと、最初からガツンとハードな印象で、「これは男性向けの“消費されるエロ”なんだろうな」って思いがち。
でもこの作品は、そんな固定観念をいい意味で裏切ってくれる一本でした。

泉りおんという存在の「リアルさ」
まず、泉りおんさん。
すごく派手な見た目でも、媚びるような演技でもなくて、どこか親しみやすくて自然体。
この作品の中でも、カメラが彼女の些細な表情の変化や視線の動き、呼吸のリズムをちゃんと拾ってくれていて、観ていて「作られた世界」ではなく、ひとりの女性としての“泉りおん”がそこにいる感じがしました。
ノーカットであることが強調されていますが、これがただ単に“長回し”なのではなくて、その場の空気感や感情の揺れ動きを、まるごと感じ取れる作りになっているという意味で、とても意味のある演出だったと思います。

セクシュアリティの共感と、緊張と緩和
行為の中には当然、過激さもあります。深い挿入、射精描写、執拗なピストン…。
でも不思議と、それを“痛々しい”とか“男性側の支配”と感じることはありませんでした。
むしろ、その行為の中に、信頼感とか、受け止めようとする姿勢がにじみ出ていて、視覚的な刺激以上に“心の通い合い”を見ているような、そんな気持ちになります。
「女性はこういうの苦手でしょ?」っていう偏見で作られてないのが伝わってきて、観ているこちらも自然体で向き合えるというか、「こういうセクシュアリティの描き方ってアリなんだ」って思えるような、ちょっとした気づきもありました。
女性でも“感じられる”AVとは
私自身、AVを観て「気持ちが動く」ってあまりなかったんですけど、この作品では確かにドキッとする瞬間や、胸がぎゅっとなるような瞬間があって、それはやっぱり泉りおんさんの演技じゃない“素の反応”を大切にしているからこそだと思います。
彼女が快感に戸惑いながらも受け入れていく過程とか、時折見せる照れ笑いとか、ふとした瞬間の恥じらいが本当にリアルで、見ていてすごく愛おしい気持ちになります。
